米粉について

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米粉 -新潟県産米- という選択

4年前のある日、学校給食で米粉のパンが取り入れられているという新聞記事を見つけました。
「米粉は白いから、きっと真っ白でモチモチしたパンなのかな。」と頭の片隅で小さく米粉パンを想像したのを覚えています。

当時は、新商品開発プロジェクトとして、新潟県産の野菜を使い、目にも色鮮やかでおいしい、加えて健康を考えた麺類の開発の構想があり、ちょうど麺に練り込むために適した野菜を探していた時でした。

しかし、野菜には旬の季節があり、新潟の冬は野菜の収穫高が少ないことや毎年の収穫量が気候に影響を受けることなどを考えると、お客様のご要望にお応えするために安定的な量を確保すること、また一定の品質が保たれた良質な野菜の仕入れは難しいという結論になり、野菜だけにとらわれず麺と相性のよい新潟の食材を再度見直してみることにしたのです。

そこでふと思い出したのが、地元の学校給食での米粉パンの記事でした。

「新潟で自慢できる食材といえば、やはり米。その米粉でパンにすることができるのなら麺もできるかもしれない。」

それからすぐに米粉を取り寄せ、麺を作ってみることにしました。

開発当初は、米粉の特性をよく知り理解するために、米粉100%の麺に挑戦しようとシンプルに水と塩を配合してみたところ、まさに団子の状態になり麺の形に切ることさえもできませんでした。

県産米や他県産など品種の違う米粉を使用し、配合にも工夫して作ってはみるものの、作れども失敗の連続。できた麺をゆでようと手に持っただけでぼろぼろに形が崩れ、やっと麺の形に成形できても茹でると麺の表面がとけてベタベタになり、柔らかすぎて箸でつかめないなど納得のいくものを作り上げることができませんでした。

その後は米粉100%で作ることをあきらめ、米粉の割合を減らしながら少しずつ小麦を加えて試作を重ねていくと、麺としての仕上がりはよくても、食べると<米粉らしさ>が感じられず、小麦粉と米粉の質の違いに翻弄され、米粉を使っておいしい!と納得できる麺作りは無理なのではないかと心のどこかであきらめるようになっていました。

時を同じくして、オーストラリアで起こった干ばつやバイオ燃料需要の高まりから北米、南米地域の小麦農家が他の作物へ作付転換した影響などにより、小麦価格が大幅に高騰するという出来事が起こりました。2040年代には世界で食糧危機が起こると予想され、日本にある小麦の9割は輸入に頼っている現状を踏まえると、いつか小麦が手に入りにくくなる日がくるのではないか、小麦がなければ麺は作れないと会社の存続にまで危機感を覚えるようになったのです。

以来、小麦粉の代用として、また米粉を使った新たな商品の開発を行うことで将来の日本の食を支えていきたいと米粉麺プロジェクトの歩みを進め、成功させることを決意しました。

一昨年秋、米粉入り生パスタの開発に焦点を定めて試作を行っていたところ、知人の紹介で東京の有名ホテルのシェフに調理していただき、料理する側のプロフェッショナルの意見を聞く機会に恵まれました。

「今までにない米粉を使った商品を作ることはすばらしい取り組みだと思います。未来の食につながるという期待感があります。けれども、私たちはお客様に自信を持っておいしいと喜んでいただけるものを提供しなければならない。おいしいと喜んでいただき満足してもらうこと、それが我々にとって一番大切なことなのです。無理に米粉だけにこだわらず、米粉に合う小麦を見つけることでブレンドしておいしい食感を求めてみたらどうでしょうか。」

この言葉を聞き、私たち作り手のこだわりも大切ですが、食品メーカーとして食していただくお客様に「おいしい!」と喜んでいただくことが最上の使命だったのだということを再確認した瞬間でした。
「地元で採れる新潟産の米粉を使ったパスタを食してくださる方々においしいと喜んでもらいたい。そして、将来は米粉入り生パスタが普段使いの家庭の食卓にのぼる食材になってほしい。」

米の粒食の消費量が50年前の約半分と低下している今、新潟の農業の核となる米を豊かな新潟の風土で作り続け、粒食はもちろんのこと、粉食として米を米粉に加工することで消費を増やしていくことは、地産地消の観点からも生産者、加工業者、消費者の皆様が地域一体となって取り組んでいかなければならない課題だと考えます。

水田の減反や食料自給率について最近よく聞かれますが、その問題を解決するために考えて食するのではなく、地域の食材を使用した商品をまずは楽しく料理し、「おいしい!」と食卓で会話をしながらお召し上がりいただけたらうれしく思います。

そのように、普段の食生活の中で米粉商品を消費するというその積み重ねが、いずれ水田を潤し食料自給率を高めることにつながるのではないでしょうか。
日本古来よりの米食文化と日本人の日常に馴染みのある麺食文化を<パスタ>という形で融合させた当社の米粉入り生パスタ。
新潟発の新しい米食文化として、50年、100年後の未来で多くの人々に愛されるソウルフードとなることを夢見ています。